第23回三河湾チャリティー100km歩け歩け大会(2018)感想

六〇キロを過ぎたら走れ
ゼッケン番号:263

「六十キロを過ぎたら走るんです」
日付を少しまたいだ頃、マッサージを受ける傍らに確かのその声を聞いた。

歩くことにこれほどの疲労感を感じたことのない身には
にわかに信じがたい一言であった。

この日、八時過ぎから三十時間以内に
百キロを完歩するチャリティイベントに参加していた。

ハーフマラソン出場が関の山であった私だが、
百キロという響きと歩くという楽な動作であったことを過信して単独参加を果たしていた。

二十六キロ過ぎの最初にポイントにつく頃には、
両の足裏には水膨れが発生。
開始から実に六時間が経過するという過酷さであった。

六十キロのポイントにやっとの思いで転がり込んだ時には
一歩を踏み出すのにも、何か訳のわからない言葉を吐きながら
足裏の激痛を紛らわしていた。

一人で参加することにした自分を自分で疑うような始末だった。
そんな中、ボランティアのマッサージを受けられると聞いて
迷いなくお願いをしていた。

「歩けなくなったら走るんです。歩く筋肉と走る筋肉は違うし、
体が動く速度や着地する足裏の部位も違うものなのです」

「歩く」を語るこの人物は一体何者なのだと思いつつ、
「そんなことあるわけないだろう」と疲労感でいっぱいの頭の中がつぶやいていた。

私は会社勤めをしている。
決まった時間に通勤し、人並みの残業をして帰宅する頃には子供は夢の中である。

働くことは「歩く」ことに似ている。
職場の環境は働き方改革の真っただ中だ。

成果主義、生産性、効率化、ワークライフバランスのコトバが踊る。
二十四時間は人類の誰にも平等であるが、成果は不平等である。
1日1日をいかに充実させるかに躍起だ。
私たちの業務は日進月歩、日々着実に前に進んでいる。

だが、時々それが疑わしくなる。
一体何のために、一歩を進めているのか。
このゴールはどこなのか。
ズキンと、足裏に痛みが走る。
「辛いな」
また、ふと弱い私が顔を覗かせた。

六十キロでまどろむ私にあの言葉は魔法のようであった。
マッサージを終えた次の瞬間、私は走っていた。

足裏の着地の位置、蹴り出す太もも筋肉の違い、
腕の振りとその推進力。

それは歩いている中では気が付けなかった「もう一人の私」の姿だった。

「彼」の歩みは力強く、大いに「私」の心を揺さぶる存在であった。

丑三つ時、魔の七十キロ地点。
歩みを止めることも、辞めることも頭の中にはもう微塵もなかった。
「絶対にやりきってやる」

行軍している兵隊が持つ殺気立つような
鋭さすら自分の中に感じてもいた。

同行二人という言葉を思い出す。

西国巡礼者たちが弘法大師と一緒に巡礼しているという意で
傘や杖に書き付ける語なのだそうだ。
今回の百キロの歩みで何が変わる、分かるわけでもないのだが、
自分の中にいる弱い自分と強い自分をこれほどまでに明確に感じることができたのは新鮮であった。

巡礼者たちが一人遍路を回る理由も、
弘法大師という名のもう一人の自分と向き合うことを期待していたのかもしれない。
そんな思いを馳せていた。

仕事に邁進する日々はやはり歩くことによく似ている。
歩き方も歩く速度もみな違う。
「歩けなくなったら走るんです」

日々に疲れたら、歩く速度を変えればいい。
しばしば止まってもいい。そして時に走ればいいのだ。

闇夜を照らすヘッドライトがつま先の2歩前、3歩前を照らし続ける。
ふと目線を上げると、もくもくと歩く参加者の姿があった。
足裏が悲鳴をあげ、筋肉に痛みが走っているのは私だけであろうか。

同じゴールに向かって歩く、名も知らぬ仲間たちにとってもこの痛みは同じではなかったか。
私の前を力強く歩くあのおじさんのお蔭で歩き続けることができたし、
私の歩みを見て、歩み続けたどこかの誰かもいただろうと思う。
この見えないつながりもまた心地よかった。

生まれて初めて歩くことだけで一日を過ごした。
定時で働く生活をする身にはあまりにも教えの多い特別な一日になった。
七福醸造のみなさんと支えてくれたボランティアの皆さんに感謝しかない。



感謝
ペンネーム:クロヤナギ

この歩け歩け大会への参加そして完歩は今年の目標の1つでした。
いろんな情報を調べ、必要な物を準備。

普段、ほとんど運動していないことに不安はありましたが、
リタイヤはしない、完歩するという気持ちは強く持ち参加しました。

暗くなりはじめた頃から雨がポツポツ。
それからは降ったり止んだりでそのたびポンチョを着たり脱いだり…
そのうち本降りとなり。

疲れた身体にさらに追い討ち
暗い道はライトを点けていても見辛く、何度も水溜まりに
靴もソックスもグチョグチョ。

でも、ただひたすら歩き続けるだけ
制限時間内に次のポイントに着くことだけを目標に
苦しくて辛いのはみんな同じだろう。

観覧車が見えた時は思わず「あ、観覧車だ!」と声が出てしまいました。
ここまで来れば、行けると確信。

11時5分ゴール。
道中、コンビニの方ががんばって下さいと声をかけてくれたり、
サポートの方の励ましやマッサージ等とても活力を頂きました。
ありがとうございました。

そしてなにより、一緒に歩いてくれた友人に感謝です
時間内にゴールできたのは彼女のおかげだと思います。ありがとう

これけらまた次の目標に向かって頑張りたいと思います。



ルビー婚 ゴール
ペンネーム:管制の鈴木です

今年の10月は結婚40年のルビー婚です。
さしたる事故もなく、40年間何とかやってきました。

3人の子供もそれぞれ独立し、みんな元気で頑張っているようです。
親としてこんなに嬉しいことはありません。

そして100kmウォーキングは今年で7回目、
ラッキーセブンの100kmウォーキングになるよう願いを込めて参加の申込みをしました。

当日は妻に車で駅の所まで送ってもらいました。
遠足にでも行くかのようにさりげなく「じゃあ行ってくるわ。」と言って別れました。
でも心の中では「めでたいサファイヤ婚の年に私にはリタイヤの選択肢はない。
完歩あるのみ。絶対完歩する。」との強い決意がいっぱいでした。

当社からは新入社員3名を含む総勢7名の参加があり、心強い限りです。
会社の人達がスタート地点から沿道の所まで応援に駆け付けてくれ、
ゴールでもいっぱい写真を撮ってくれました。
嬉しかったなあ。

また妻や子供、そして5人の孫も沿道の所まで応援に来てくれ、
元気いっぱいのパワーを貰いました。
大勢の人達から「がんばって。」との声援を受け、スタートから快調にとばして行きました。

ところが、豊橋の70kmポイントを通過した辺りで
どういうわけがドッと疲れが出て、おまけに猛烈な睡魔に襲われてきました。
若い人達にはどんどん抜かれていくし、やっぱりもう年かなと思いました。

よたよたしながらも、何とか蒲郡の88kmポイントに到着。
ここで暖かい甘酒とチョコレートをいただきました。
椅子に座って甘酒を飲みながらチョコレートを食べていたら、
昼間に家族や会社の人達、それにスタッフの人達の
「がんばれ。」の声が頭の中によみがえってきました。

しばらくするとまわりの若い人達は次々と元気よく出発していきました。
少し休憩していたら気分的に落ち着いてきたので、私も出発することにしました。
大勢のスタッフの人達の「がんばって。」との声援を受け、いざ出陣。

歩き始めてしばらくすると眠気はすっかりとれ、
足も全く快調そのものに気が付きました。
みんなの声援と、甘酒やチョコレートが効いたのか、昼間の時よりさらにスピードアップ、
そのまま一気に100kmまで、私にはまだこんなパワーが残っていたのか、
我ながらびっくりするほどでした。

一時は、完歩は無理かと思ったこともありましたが、見事に完歩。
団塊世代魂、まだまだ顕在か?いやいやもう年だとそんなことはありえない、単なる運でしょう。
まさにこれがラッキーセブン。
 
来年100kmウォーキングは?もちろん参加。

じゃあ、スタッフの仕事は?すいません。
もう少し歩く側に回させてください。
将来スタッフをやることでこの恩は必ずお返しいたします。

七福醸造、味とこころの皆様、またスタッフの皆様、
100kmウォーキングのこんなすばらしい感激を
今年も味あわせていただき大変ありがとうございました。

我が初孫も、もう小学4年生です。
いつの日か孫と一緒に100キロウォーキングやりたいなあ。
それまでじぃじ頑張るからね。


リベンジの100km
ゼッケン番号:1683

今大会に出るのはこれで二度目となる。
前回はひどかった。

スタートから雨が降っておりやる気を奪われる状態。
途中からは靴の中は温泉状態だ。足がふやけ皮が裂ける。
歩くのが苦痛になる。

片方の脚がもう片方を庇い、結果としてダメージが蓄積していく。
リタイアしたのは50km地点だった。

いや、本当ならばリタイアしたくなかったが
一緒に行った仲間がリタイア宣言をしたのだ。

自分一人でクリアしても意味がない、
皆でクリアしないと意味がない、そう思いリタイアをした。

さて、今大会はどうだったか。
スタートは好調だ。雨は降っていない。

「今回は皆でやってやる!」口にこそ出さないが、
心の中は決意で満たされていた。

前回の反省を活かし、足裏のダメージを最小限にするためにも
今回はワセリンを持参。予め足底に塗布する。

ひたすら歩く。今回はいける、そう信じて。
そして前回のリタイア地点を通過。
このときにまた前回の悪夢が蘇る。
そう、雨が降ってきたのだ。

仲間の一人が言う。
「無理しないで状況によってはリタイアしよう」と。

私は心の中で思った。
「また、ここでリタイアか。結局このチームはここまでか」

その時、もう一人が、
「まだやりましょう」と言った。

どうやら、まだ意志のある者はいるようだ。 いけるかもしれない。

しかし、60km地点。
そこに到達する前から脚の不調を訴えていた仲間。
「やっぱりきつい、リタイアしよう」 ああ、ここまでか。
まぁでもいいだろう。これがやるだけやった結果なら。
一人でクリアしても仕方ない。私もリタイアしよう。そう思った。

その時、仲間の一人が、
「行った方がいい。歩いてこい」と。
正直、一人でやりきったところで意味はないと思っていたが
今回もリタイアするのは情け無い。

一人でも行こう。そう自分に言い聞かせた。
私がリタイアする理由を、仲間のリタイアのせいにしてはならない。
私一人でもやりきろう。私はまだやれる。

そのあとは60km地点から70kmへ向けて走った。
私はまだ走れる。

100人でも抜いてやろうと。孤独に夜道を走った。
途中脚がつりそうになって歩きに変えた。
それでも私の意志は「やってやる」それしかなかった。

そんな気持ちでひたすら前に向かった。
もう雨が降っていようが関係なかった。
ひたすら前に向かった。気付いたら90km通過していた。

ここからが本当にきつかった。
残り6km. アップダウン×2を終えと脚が激痛だ。
痛すぎて薬を飲む。気合いで残りを歩く。笑顔もでない。

感謝、感動、感激どころではなかった。
仲間を失い一人歩いた100km.
それでもやりきろうと思った。今回こそは。

ゴール地点、申し訳ないが感謝どころではない。
脚の激痛やらで笑顔もでない。
でも、やりきれて良かった。それは事実だ。

この大会が開けるということは、
陰で支えてくださっているスタッフの皆様の力のお陰である。
なので、次回参加するときは笑顔で感謝してゴールできるようになること、
それがわたしの目標だ。

次回こそ、皆でゴールしよう。
歩き抜いた先に見える何かを信じて。
今回は参加させて頂き、ありがとうございました。


一緒に歩いた100km
ペンネーム:さわやかウォーカー

数年前突然の出来事があった。
何の趣味も持たない私に友人から鉄道会社主催のウォーキングのお誘い。
初めての参加が新年の蒲郡駅。

その時は、10km弱を歩いただけでマメができてしまった。
そして三河湾100kmウォーキングというものがある事を知った。
信じられない。
10km程度で悲鳴を上げているのに、この10倍をそれも二日間かけて歩くなんて・・・。

ウォーキングを毎週の様に参加し体力をつけてきた。そして、
第23回三河湾チャリティー100km歩け歩け大会(初参加)挑戦の日となった。

今日100km歩いて来るよ。
でも今回も一緒に歩くんだよね・・・。
一人参加で恐怖と不安でいっぱいだった。

大勢の参加者に押し出される形でスタートした。
周りの歩者のスピードが速い。こんなスピードで100km歩ききれるのか。
どんまい。マイペース。マイペース。

最初のチェックポイントまで100kmの1/4ぐらいなので6時間を目標に足を進めた。
なかなか最初のチェックポイントに到着しない。
遠い、遠すぎる。なんと過酷な大会なのだろう。
でも心に誓っていた。
絶対完歩する!

こつこつ歩き51.4kmのチェックポイントまでたどり着いた。
誰かが「半分を越えたらカウントダウンが始まる」と話していた。そう思った。

夜更頃、霧雨から少しずつ雨粒が大きくなっていった。
あーやっぱり雨になるんだ。
気持ちが凹みがちになる。
でも絶対完歩する!

あちらこちらでスタッフや沿道の応援者、
歩道誘導の警備員に「頑張って!」
声掛けをいただいていた。
それはある場所での出来事、国道を横切る横断歩道。

車道は雨で水たまりができていた。
トラックが猛スピードで走り抜け水を大きく巻き上げ
警備員さんは水をかぶってしまった。

雨具は着用していたが顔は濡れてしまったと思う。
後から思ったのは、警備員さんは立ち位置を変えず歩者が水をかぶらないよう、
そこにわざわざ立っていたのではないか? 
私の思い過ごしかもしれません。

チェックポイントでの出来事。
休憩シートは既に雨で濡れている。
次の歩者も当然濡れている。

シートは直ぐに水びたしになるだろう。
しかしそんな事はお構いなしでもくもくと水を拭き取るスタッフさん。
本当に頭がさがります。

夜明け前の観覧車が。
そして雨もあがり、きらきらと輝く海が見えてきた。
その先に念願のゴール。

初参加の私が100km完歩できたのは支えてくれた多くの人たちのおかげです。
そして、天国の妻が後押ししてくれたおかげ。

この場を借りて御礼申し上げます。
感動、感謝、感激。
ありがとうございました。
そして、皆様お疲れ様でした。


自分に負けそうになった時に…
ペンネーム:WINGS88

"今年は1人で歩ききる"
そう意気込んで挑んだ第23回100キロウォーキング。
最終的には1人ではなく色々な方に支えられていたことに気づかされました。

一昨年、初めて参加し、無事完歩したこともあり
今年もなんとかなるだろうと高を括っていた。

前回は20歳年の離れた監督(仲間)とお互いに鼓舞しあいながら
なんとか乗り越えたが今回は1人。

最初のポイントで既に心が折れかけていた。
"なんのために歩いているんだろう、もう十分頑張った…"
そんな言葉が頭をよぎり徐々にマイナス思考になる。

ふと、携帯を見ると監督からメールが。

"ガンガン行け!ペース配分なんか気にするな!"

これを見てからはもう何も考えずただひたすら歩いた。
やるからにはあ1番目指して見たいとすら思い始めて
気づけば先頭集団と一緒に歩いていた!

なんの練習もしたことの無い素人の自分が
気持ちだけでついて行けてることに
なんだか喜びすら感じ始めた(ウォーキングハイ)

途中、足を痛めて休んでいるところに
"ほら、これ塗っとけ"と優しく手を差し伸べてくれる同参加者。

人間の温かみを感じる場面が多々あり、
"ああ、やはり参加してよかった"と浸っていた。
一人じゃない。

だが、現実はやはり甘くはなく、
80㎞を越えたあたりから、足の痛みがピークに達し、
パンパンに腫れ上がる。

前を行く人との差が開き始める。
負けてたまるかと思った時に冷静に大会の趣旨を再認識した。

誰かとの勝負ではなく、自分との戦い。
感謝、感激、感動。

目の前の道の景色が変わって見えた。
今までガムシャラに歩いてきたが最後くらい楽しもう。

夜の海辺は波の音が静かに揺れ、
秋の訪れを感じる虫の鳴き声。

車の音もなく本当に気持ちが良かった。
これか。こういうことか。っと勝手に納得して足を進めた。
もう終わってしまうとすら思い始めていた。

完歩したらみんなに自慢しようと思っていたが
そんなことどうでもよくなっていた。

ただただありがとう。
全てのことに感謝。
支えてくれた人間、途中道中からの声援車の中から"頑張れ"の一言。

人って頑張れって言われるだけで
本当に強くなれるんだなぁと実感した100㎞でした。

痛みは徐々に消えて行っても
ゴールした時のあの気持ちは今後何があっても忘れることはないでしょう。(迷言)笑

一人で参加したつもりが、一人じゃなかったと痛感した。
来年参加される方がもし心が折れそうな時があるとすれば
"決して一人じゃない みんな一緒に戦ってる"
ってことを心の何処かにとどめておいて欲しいなぁ…

何か物事や対人関係などに悩んで、
自分に負けそうな時があれば、また参加したい!!
当分はストイックに生きて行けそう!



参加できたことに感謝
ゼッケン番号:245

今回初めて「三河湾チャリティ100Km歩け歩け大会」に参加させていただきました。

1年前、他の主催者開催の100キロ歩行に参加し、
完歩できたことによる達成感を今年も味わいたいという気持ちから、
こちらにも参加させていただきました。

スタートは順調でしたが、60キロを超えたあたりで足が動かなくなり、
「リタイヤ」が脳裏をよぎりましたが、途中歩道橋の上り下りで回復しました。

午前3時前続けるか否か考えましたが、「Go!」を選択しました。
その選択は正解でした。

歩行途中、いろいろ声をかけてくださいましたスタッフの皆様、
沿道で応援してくださった方々、
歩行途中励ましてくださいました他の歩行者皆様、
ありがとうございました。

参加できたことに心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。